世間で振り込め詐欺の手口が暴かれ、さまざまな対策が叫ばれているにもかかわらず、振り込め詐欺による被害は後を絶ちません。
振り込め詐欺

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数年前の事件ですが、山形県内の男性が振り込め詐欺に遭い「有料サイトの利用に未納金がある」などと言われ、42回にわたり、総額2543万円を騙し取られました。

なぜ、被害者は詐欺師の作り話に耳を傾けてしまうのでしょうか?


振り込め詐欺の手口

こうした状況を打開するため、警察などの機関はホームページに振り込め詐敗や架空詰求詐欺の手口を公開して、注意を促しています。その事例は次のようなものがあります。
詐欺の手口を知ることで詐欺の被害に遭わないための詐欺対策にお役立てください。

偽警察官がある家に電話をかける。
「もしもし、○○さんのお宅でしょうか?」
「はい」

電話に出たのはその家の婦人です。

「私、A署讐察のXXと申します。実は、お宅の旦那さんが交通事故を起こしまして、現場検
証をしています」

偽警察官はこと細かに事故の状況を説明し、妻に被害者のケガの状態を報告する。

「このままでは旦那さんは業務上過失傷害でこちら(警察)に勾留されることになります。で
すが、被害者の方は刑事告訴せずに示談してもよいと言っています。今、被害者の弁護士の方
がこちらに来ているので、ちょっとお話しください」

夫が逮捕という事態に動揺している妻はこう答えるしかない。

「お願いします」

そして電話を代わった弁護士に金銭での解決法を提示され、指定された金額を振り込んでしまう。
こうした手口を公開することはとても大切なことです。詐欺だと見破り、撃退できた人も多いでしょう。

しかし、残念なことに、公開された手口には「ある重要な点」が抜け落ちているのです。

それは「詐欺師が身元確認という手段を使ってくる」ということです。


さらに手の込んだ振り込め詐欺の手口

次の振り込め詐欺の事例では、前者と異なっている部分があるのですが、その違いがわかるでしょうか?

「もしもし、私、B警察署のXXと申します」

このような電話がかかってくる。電話を取った田中恵子さんはこの時点で動揺を覚えます。

平穏無事な暮らしを願う私たちは警察という存在とは無縁でありたいと願っているからでしょう。なにがあったのだろうと不安になりますね。

しかし、まずは用件を確認することが重要だと感じ、田中恵子さんは努めて冷静に問い返します。

「はい、何でしょうか?」

偽警察官はこう語りかけてくる。
「田中義男(仮名)さんのお宅でよろしいですね? 奥様の恵子さんでいらっしゃいますか?」
「は、はい。そうですが…」

身元を確認されたことで、恵子さんはただならぬ状態であることを感じ取ります。そして慌てた声で聞き返すのです。

「な、何かありましたか…」

うろたえる恵子さんに対して、偽警察官は畳み掛けるように言う。

「実はご主人の義男さんが人身事故を起こしまして、現在、現場検証をしています」

この瞬間、恵子さんの頭の中には、事故を起こした夫の姿が一気に描かれます。更に偽警察官は続けます。

「事故の概要を少しお話しますと、国道45号線の交差点でご主人の車が一時停止を怠って、相手の車に衝突しました。この状況ですと、ご主人の過失は100%になります」

パニックに陥った恵子さんはその後、偽弁護士などの話に乗せられ、その日のうちに示談金として200万円を振り込んでしまったのです。



警察が公開している手口との大きな違いはどこか、お分かりいただけたでしょうか?

最も大きな違いは、今回のケースでは偽警察官が「本名」を使い、身元確認をしているということです。
本名で呼びかけられ、それに「はい」と答えることで、被害者はまるで首根っこをつかまれた気分になってしまったです。

警察が公開している手口では「旦那さん」「奥さん」などとあくまで代名詞を用いているため、人によっては「本当にウチのことを言っているのだろうか?」と思うかもしれません。
そこをつかれ、丁寧な説明を求められれば、そもそも嘘の話なのだから詐欺が見破られ、失敗する可能性が高くなります。


振り込め詐欺でパニック

振り込め詐欺の根幹は「相手がパニック状態にあるうちに決める!」ということです。

そのため、詐欺師たちは「本名」を用い、ターゲット自身に認めさせることで、「これは本当の話だ」「逃げることはできない」と思い込ませるのです。

一度、ターゲットに耳を傾けさせ、主導権を握れば、その後は業務上過失傷害だろうが、夫の痴漢容疑だろうが何でもいいのです。
頭の中が真っ白になっている間に、警官、弁護士、被害者の身内などを次々に登場させ、金を巻き上げることができるのです。



過去に逮捕された振り込め詐欺の犯人によると、彼らは騙しやすい人をこうとらえていました。

「警察官を名乗ると動揺する人」
「パニックになって、どうすればいいのかと聞き返してくる人」

こうしたことからも詐欺師たちが身元確認の手段を有効に使っていることがわかりますね。

とにかくその場で判断せず、電話を切った後でもいいので一度冷静になることに努めましょう。
そして誰でもいいので相談することが大切です。

探禎社 多希