催眠商法の「身分を欺くテクニック」

詐欺師は自分たちの正体や、目的を隠すためにダミーを使います。
ダミーに目を奪われているうちに思考を誘導され、いつしか詐欺師の思い通りにマインドコントロールされることになるのです。

催眠商法の手口と事例

催眠商法・ハイハイ商法

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駅前のロータリーで3、4人の黒服の男がティッシュを配っている。
私が通っても、その男たちはティッシュを渡そうとしません。
どうしてかな?と思い離れて見ていると老人ばかりに配っているのです。



70代ぐらいの老婦人がティッシュをもらう。すると、黒服の男が囁きかけます。

「おばあちゃん、ティッシュの裏に商品引換券があるから、あそこのワゴンのところに行ってもらってくるといいよ」

タダで商品がもらえる。この言葉に誘われ、老婆がワゴンに近づくとそこにはアニメの柄などがプリントされたハンカチやタオルが置かれていました。
孫にでも1つあげようかぁ、なんて思っていると、ワゴン前に立つ男が優しく語りかける。

「おばあちゃん。好きな物を取っていいよ。じっくり選んでね。このハンカチの裏には抽選券がついてるから、何か当たるといいね」

老婆は1枚のハンカチを取り上げる。それを見て、ワゴンの男は驚きの声を上げる。

「お、おばあちゃん、びっくりしないでね。それ、当たりだ! 商品が当たっちゃったよ」

どこを見て男が当たりと言っているのかは判然としませんが、老婆は商品が当たったという事実に驚いた顔をする。

「ここから5分ぐらいの会場でもらえるから、あのお兄さんに連れていってもらうといいよ」

「お~い!」と仲間の男を呼ぶ。そして、老婆は近くの会場に連れていかれます。



この男たちの正体は、催眠商法を行う着物の販売員なのです。会場に入れば、高額な着物を売り付けられることになります。

本来、路上から会場に客を連れていくときは、勧誘の目的を告げなくてはなりません。

これは特定商取引法で定められているのです。しかし男たちは、着物販売をしているなどとは一言も告げません。



彼らは商品進呈用のワゴンを路上に置いていますが、これは着物販売という目的を隠すためのダミーにすぎません。
さらに、ここではクジを使って射幸心をあおっています。

老婆は無料商品や当選に気を取られ、何の目的で男たちが近づいてきたのかを考えられない状態になっているのです。

意外な展開を積み重ねることで相手の思考を停滞させ、一種の催眠状態を作るのが催眠商法の手口です。

>>>なぜ催眠商法に騙されるのか【その2】へ続く

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悪徳商法の著名人広告の手口

こうした悪徳商法の手口に引っ掛かりやすいのが、意外と著名人や大学教授、政治家が多いということは案外知られていません。

悪徳商法を企てる詐欺師たちは、自らの組織の信頼性を高めるために、できるだけ著名な人物を引っ張り込みたいと思っています。
そのために会合や研究会を開き、著名人を無料で招待します。ときには海外に招待することもあります。

そこで招待された著名人は、正体を隠した悪徳商法の詐欺師たちの代表者に会うことになります。
金を出してもらっているのだから、挨拶をするのは当たり前のことでしょう。

そして握手しているところをパチリ!と撮られるのです。

この著名人と代表者のにこやかなツーショット写真は、後に会員の勧誘や布教活動に使われます。

著名人は知らない間に、悪徳詐欺団体の勧誘ツールとして大活躍することになるのです。


探禎社 多希