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様々なキャッチセールスがありますが、繁華街や駅前などで声をかけられたことがある方も多いのではないでしょうか。
その先には底なしの展開が待っていたかもしれません。

ここで紹介する霊感商法の詐欺被害の事例では20代前半の上田洋子さん(仮名)が被害者です。

洋子さんは言葉巧みに詐欺師に連れていかれ、「因縁を清算するため」という理由で20万円もする印鑑を買わされることになってしまいました。

実は洋子さんは、この印鑑を購入する数時間前まで「因縁」などということに全く関心もないうえに印鑑を買うつもりも全くなかったのです。

しかし、見知らぬ人に声をかけられ、話をしているうちに、数時間後には印鑑を購入してしまいました。

これが驚くべき詐欺師のテクニックなのです。

さて、その驚くべき詐欺の手口とはどんなものなのでしょう。
上田洋子さんの事例をもとに紹介します。
この事例を参考に詐欺の被害にあわないための詐欺対策にお役立てください。


第1ステップは「褒める」 詐欺師はまず相手を褒めることから始める

霊感商法の手口とキャチセールス

洋子さんは事務の仕事をしながら最近、趣味でネイルアートの勉強を始めた真面目で明るい女性です。

ある日、仕事を終えて帰宅のため歩いていると、中年の女性が声をかけてきました。

「私、手相の勉強をしているのですが、よければ手相を見せてもらえないでしょうか?」

突然だったので「えっ?」と思いましたが、占いに興味のあった洋子さんは足を止めました。

「いいですよ」

洋子さんは手を差し出します。

そして、その中年女性はあたかも手相を見ているようなフリをしながら、話し始めました。

「手の平を横切るように伸びるこの線は、感情線と言います。あなたの感情線はとても長いので感受性が豊かで、心の優しい女性ですね。でも優しい分、気苦労も多のではないですか」

中年女性がチラリと洋子さんを見ると洋子さんは心当たりがあるのか小さく頷きました。

そして中年女性は話を続けます。

「ここにもう1本、同じような線がありますよね、この線は頭脳線といいます。人の能力などを示す線ですが、とっても才能豊かな相が出ていますね。最近、何か始めたことがあるのではないですか?」

このようにこの時点では曖昧などうともとれる質問をして、会話のきっかけを作るのです。

「ええ。最近、ネイルアートの勉強を始めたんです」
「そうですかぁ 手相に出てますよ」

もうお分かりだと思いますが、ここでどんな答えが返ってきても詐欺師は「そうですかぁ 手相に出てますよ」と答えるのです。

例えば、料理を習っているや語学の勉強を始めたなどという場合でも同じ答えを返します。

そして詐欺師は洋子さんの爪を見て褒めます。

「かわいいネイルですね! 自分でなさったんですか?」

自分の作品を褒められた洋子さんはまんざらでもない顔で…

「はい」

詐欺師はどんどん話を進めていきます。

「ネイルアートは趣味でやっているんですか?それとも将来は仕事にしようと思っているんですか?」
「そうですね。ゆくゆくは仕事にしたいと思っています」

詐欺師は何か言いたげな顔で、再び洋子さんの手のひらを見て。

「頭脳線の先にあるこの部分が月丘というのですが、この月丘まで頭脳線が伸びている人は、芸術関係に優れているといわれます。
ネイルアートを始めたのは正解でしたね」
「えっ?そうなんですか」

洋子さんは思わずニヤっとしていまいました。そして嬉しくなった洋子さんはテンションも上がり自ら話し出すように。

こうなれば詐欺師の思うつぼ。
ここからは何の話をしても大丈夫。完全に詐欺師のペースになります。

「逢った時から思っていたんですが、とっても笑顔が素敵ですね」

と詐欺師は繰り出す。

こんなことを逢って間もない段階で言ったとしても効果がありません。かえって怪しまれることの方が多いでしょう。

しかし、段階を踏んで高揚された洋子さんにはとても嬉しく感じられるのです。


個人情報を聞き出す詐欺師の手口

霊感商法に限らず、詐欺師はまずターゲットの個人情報を狙う。すべての詐欺はここから始まります。

人はだれでも見知らぬ相手には警戒心があるものです。ましてやその初対面の相手に自分の個人情報を話す人なんて滅多にいないでしょう。

そこで詐欺師は初めに相手の警戒心を解くために事例で上げたような手口で気持ちを高揚させるのです。

そして相手を油断させ心を開かせれば詐欺師に軍配が上がったも同然です。

とにかく詐欺師は初めに褒めます。時には歯が浮くようなことを言ってでも褒め倒すこともあります。

相手のことを素早く見抜きそれに合わせてうまく調整するのです。

詐欺師は褒め言葉でターゲットを有頂天にさせ、個人情報を聞き出す。時には気分良くなったターゲットは自分から自慢気に個人情報を語る人もいます。

褒められているつもりが、実はおだてられているだけで、自ら詐欺師に首を差し出しているのです。


相手を動揺させて判断能力を奪う詐欺師のテクニック

詐欺師の手口 手相

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褒められて気分のよくなった洋子さんは、恋人のこと、趣味、将来の夢など自ら話すようになっていました。

そのうちもう1人の女性がやってきました。

「こんにちは、私も一緒に手相の勉強をしているんです。よろしくお願いします」

これも詐欺師のテクニックの1つで、1人のターゲットに対して2人で攻める。ターゲットを途中で逃がさないための手口なのです。

いつの間にか洋子さんは2人の詐欺師に囲まれ、逃げられない状態になっていました。

ある程度、個人情報を引き出したと判断した2人は次の段階に移ります。

その目的はただ1つ!
「会場(アジト)に連れ込む」こと。

ここで詐欺師の決まり文句は「あなたは転換期にきている!」です。

詐欺集団の間では、この決まり文句を「転換期トーク」と言われていて、手相の手口で声をかけられた人はだいたい転換期の話をされています。

そして女性詐欺師は洋子さんの手相を見ながら、重々しい口振りで言いました。

「今、あなたはとても重要な転換期にきていますね」

これまでと違う展開に洋子さんは軽く動揺します。

「え?そうなんですか?」
「ただ、ちょっと良くない相も出ているんです。それは…」

もちろん演技ですが、詐欺師は言いにくそうな顔をします。

「あなたは近い将来、右に行くか、左に行くかの選択を迫られます。その選択によって、人生が大きく変わります。もし選択を誤れば、取り返しのつかないことになります」

今まで持ち上げられていた気持ちが一気に落とされ、洋子さんは突然、不安の真っ只中に落とし込まれるのです。

「私、どうすればいいんでしょうか?」

洋子さんは不安そうに聞きました。

しかし、詐欺師はこの場で解決法は教えません。

詐欺師の最終目的は洋子さんを会場に連れ込み、高額の商品を買わせることなのです。

そのためには洋子さんが自ら「会場に行きたい」という気持ちにしないといけません。

女性詐欺師が言う。

「実は今日、私がとてもお世話になっている姓名判断の先生が近くの会場に来られているんです。こんなに大きな転換期に立っている人はめったにいません。もし、お時問があればその先生に見てもらってはいかがでしょうか?料金は2,000円どかかりますが」

これは一般的な金額で決して高いものではありません。

洋子さんは、それぐらいの額で解決策が聞けるならという思いで言いました。

「是非、見てもらいたいです」

女性詐欺師は大きく頷きました。詐欺師にしてはしてやったりです。

「分かりました。先生の都合が空いているか聞いてきますね」

1人が電話をしに席をはずします。電話をしに行くのは「都合を聞きにいく」ためではありません。会場でスタンバイしているスタッフに洋子さんの個人情報を伝えるためなのです。

ここまでの会話で入手した個人情報はスタッフに伝えられ、洋子さんはこの後、人生や考え方などすべてを当てられることになります。しかし、それは「事前に情報を知っていたから」にすぎず、占いが当たっているというわけではありません。

電話をかけに行っていた1人が戻ってきて

「よかったですね。ちょうど今、先生の時間が空いているそうです」

問題意識を植え付けるという手口

この詐欺集団の目的は自分たちのアジトに連れていき、高額な物を売りつけることです。相手の気持ちを高揚させただけでは簡単に連れていくことはできません。もし、連れ込むことができたとしても商品の購入には結びつかない場合が多いのです。

そこで詐欺師は確実に目的を達成するために1つの作戦を取ります。

それは「問題意識を植え付ける」です。

いったん持ち上げた相手の気持ちを一気に落とす。

詐欺対策 転換期

今回のケースの場合、それまでさんざん持ち上げられた洋子さんは突然、「重要な転換期にある」と告げられる。
この段階で詐欺師に気を許し始めている洋子さんは話の展開に戸惑いを見せます。

そしてその直後、詐欺師は畳み掛けてきます。

「選択を間違えると、大きな不幸が訪れますよ」

問題意識を持たせることによって洋子さんは心のバランスを崩し、不安定な状態に陥ります。すると人はこう問い返すものです。

「どうすればこの問題を回避することができますか?」

そして解決法がある場所として会場を示唆し、そこに連れ込むのです。
このような手順を経て、声をかけられてから数十分で洋子さんは「底なしの展開が待っているかも知れない会場」に足を踏み入れることになったのです。

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